ユーロ買いの手がかり、リスク回避緩和…2010/6/11
トリシェ総裁の発言がユーロ買いの手がかり
- 欧州中央銀行(ECB)が10日の定例理事会でギリシャなどの国債買い取りを当面継続することを明らかにし、トリシェ総裁がユーロについて「信頼のおける通貨だ」と強調したことが投資家の不安心理を和らげた。
- これを受けて欧州株が堅調に推移したことが材料となり、円が売られ、ユーロが買われている。
- ユーロ111.00円付近、買い戻し一服
- ユーロ/円は、急ピッチな下げの過程で売り込めなかった輸出企業が上値で売り姿勢を強めてくる可能性が指摘されているが、111円付近では「もう少し円安水準(での決済)を狙いたい向きが少なくないようだ」(都銀)という。
冷え込んでいた投資家心理が和らいだという。欧州中央銀行(ECB)理事会の後押しと、オーストラリア、中国の堅調な経済指標発表が投資マインドの目覚ましになったようだ。下値が見えないと言われていたユーロ、不信の緊張感はこれで終わるのだろうか。(編集部)
リスク回避緩和、クロス円堅調
- 午前の日本株相場はじり高、日経平均株価の上げ幅は200円を超えた。
- 新興国、資源国の景気好調を受け投資家のリスク回避姿勢が和らいでおり、ユーロの先安観の後退に伴い、欧州売上高比率の高いガラス・土石製品や精密機器株、電機など輸出関連、銀行など金融株中心に買われている。
- 10日は中国の5月輸出総額が強い結果となったことや、スペインの国債入札が好調だったことなどを受けて投資家がリスクを取りやすくなった。
- 各国株式がおおむね堅調に推移、クロス円が水準を戻した。
- こうした流れがきょうの東京時間も継続すれば、クロス円が上昇幅を拡大する展開が見込めそうだ。
昨日来、急伸した豪ドルは利益確定売りに押されて上昇一服の様子。それでも昨日の上昇を喰ってはいない。中国の景気好調により引き締め懸念が出ると豪ドルの上値が重くなるという見方もある。
以下は外為どっとコムのユーザーのポジション状況。青塗りつぶし=売り指値、青白抜き=売りストップ、オレンジ塗りつぶし=買い指値、オレンジ白抜き=買いストップ。77.7円を超えたあたりで利喰い売りが目立ってくる。(編集部)