ユーロに売り安心感、根強いドル買い需要…2010/6/9
ユーロは、短期筋を中心に売り安心感が根強い
- (東京市場では)欧州通貨の不安定な値動きが続く中、円が買われやすい状況が続いており、ドル/円の上値は重い。
- 前日一時的に1.20ドル台を回復したユーロは、短期筋を中心に売り安心感が根強く、この日も上値が伸び悩んだ。
- 「ユーロ安はユーロ圏主要国の輸出にプラスで、高官からも相次いでユーロ安を容認する発言が聞かれ、売りやすい通貨になっている」(邦銀)
- 「欧州を中心に不透明感が漂う中、海外の機関投資家ら外国勢を中心に、投資資金を流動性に優れたドル資産にシフトする動きが見られる。また相対的に見て、米国が最も出口政策に近いという認識もあり、ドル資産選好が強まっているようだ。それがドル/円の下支え要因として作用し、下落幅を限定的にしている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト、服部隆夫氏)
- (前日海外市場では)南欧の財政問題が東欧に飛び火し始めているとの懸念からユーロ売りが強まった。
- 東京市場では実需筋が109円近辺でユーロ買いを入れ、下げ幅は限定的となっているが、欧州当局者によるユーロ安容認発言が続いていることが「売り安心感につながっている」(同)とされ、ユーロ売り圧力は続いているという。
リスクオフは根強く継続している。結果的に安全資産は米ドルということになっているようだ。継続するユーロ安で度々話題になるスイスフランだが、昨日の海外市場ではユーロ導入以来の際高値を更新し、その後、スイス中銀(SNB)の介入の噂も飛び交った。
リスクオフの動きは前日の海外市場の米株安の流れを東京市場も引き継ぎ、日経平均は年初来の最安値寸前まで下げた。割安感からの買い需要も出にくいということで、マネーは相変わらずリスク資産からは遠のいている模様。
今夜23:00のバーナンキFRB議長の議会証言の影響も注意したい。(編集部)
投機筋はユーロを売り続けている
最近のFXユーザーの売買ポジション比率を見ると、ユーロ/円、ユーロ/ドルともに買いポジションが70~80%で推移しているが、投機筋はユーロを売り続けている。以下は6月5日更新のIMMポジション。(編集部)