ユーロ、ECBの介入警戒で大幅反発したが…2010/5/20
ユーロ、介入警戒で4年ぶり安値から大幅反発
- 19日のニューヨーク外国為替市場で、欧州の通貨当局がユーロの下支えに動く可能性があるとの憶測から、ユーロが対ドルで4年ぶり安値から戻し、1日としては2009年5月以来、約1年ぶりの大幅な上昇となった。
- この日の相場について、「ユーロ安のスピードに関し7カ国(G7)が懸念していることを市場は理解し、また恐れていることの表れで、市場はユーロの押し上げに向けた口先介入もしくは協調介入のような動きがあるのではないかと心配している」(OANDAの首席為替ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏)
- きょうの東京時間早朝にかけて、ユーロは介入観測などから1.2433ドルまで1日で300ポイント近い急反発を見せたが、上値では「戻り売りを狙う向きが大勢」(都銀)。
- 「きのうはECBなどの介入観測が出てショートカバーを誘発したが、ユーロは放っておけばいずれ下がる通貨。市場が意識していたユーロ導入以来の平均値(1.2134ドル)を付け損ねたこともあり、達成感がない。戻りは売りとの見方に変わりはない」(国内金融機関)
やはりユーロの下値は見えないようだ。安値だから「買う」のではなく、少し上がったら高値で「売る」という小刻みに追いかけるのが王道というところらしい。
資源国の強みで好調続きだった豪ドルもユーロ不信のあおりで値を下げている。中期の下降トレンドだ。中国の動きを気にしながら、豪ドルは上手く付き合いたい通貨だ。
中国の動きも気になるところだが、日本円を含めてアジア通貨には別の危機懸念も出てきている。韓国の哨戒艦沈没に関する発表をめぐって韓国と北朝鮮の軍事衝突も有り得るという。この影響で円売りドル買いが加速する可能性も否定できない。(編集部)
クロス円下落、ユーロと豪ドルはこう違う
ユーロ不信で、投資家のリスク資産からの逃避が止まらない。リスク回避の円買い・ドル買いでクロス円も下落している。トレンドのエネルギーが分かりやすい階調チャートで、ドル/円、豪ドル/円、ユーロ/円を比較してみた。青系の尾が下降エネルギー、赤系の尾が上昇エネルギーだ。かつては似た動きをしていたユーロ/円と豪ドル/円だが今回の下落の意味は、それぞれ異なっているようだ。(編集部)
出典:NTTスマートトレード 階調チャート