ユーロに対する極端な弱気に偏る市場…2010/5/13
ユーロに対する極端な弱気に偏る市場
- 前日海外の取引でも世界的に株価が上昇、ギリシャ国債利回りなど欧州金利が低下したものの、まとまった売り圧力が上値を抑えたことで、市場では「やはりユーロは上値が重い」(都銀)との見方があらためて広がっている。
- 売りポジションが大きく積み上がり、買い戻しが入りやすいと言われるユーロの反発が限られたのは、ユーロの上値でまとまった売りが出たためだった。
- 欧州当局の大規模対策にもかかわらずユーロの反発力が依然として乏しいことが「やはりユーロ圏の構造問題に対する懸念は根深い」(外銀)と、あらためてユーロの先安見通しを広げる要因にもなっている。
- 「つなぎ融資の期間に、ギリシャが成長目標を達成し財政赤字を削減できる可能性は小さい」(邦銀)
- 「日本人から宇宙人まで、ありとあらゆる生き物がユーロ・ベア(弱気の見方)になっている」「(市場が)ユーロに対して極端な弱気に偏っている」(ファンドマネージャー)
ユーロ圏の1-3月期GDPが予想を上回ったり、IMFが55億ユーロという莫大な融資でギリシャを支援しても市場のユーロ不信は収束しない。やや値を戻したユーロは「まだ下がる」という見込みの下に戻り売りに合って上値が重い。
激しいリスク回避は少々静まったかのようだが、安全資産の金価格は高騰している。欧州経済が世界経済に水を差す。(編集部)
ユーロ/豪ドルは市場最安値に接近
- アジア市場では豪ドルが堅調。豪連邦統計局が発表した4月雇用統計で、就業者数が前月比3万3700人増と事前予想の2万人増を上回ったことが手掛かり。
- ユーロ/豪ドルは1.40豪ドル半ばまで売られ、6日につけた史上最安値に再び接近した。
- 欧州の債務危機がこれまでの世界経済の回復を帳消しにするとの懸念があることから、(豪ドルは)好調な雇用統計の発表後も、向こう数カ月については利上げ期待は高まらなかった。
- アナリストの大半は、年末に向けて労働市場のひっ迫でインフレ圧力が高まり、現在4.5%の政策金利が上昇するだろうと予想している。
オーストラリアは、たばこ税や資源会社に対する新税(資源超過利潤税)で大幅な歳入増が見込めるのだそうだ。中国の金融政策や欧州経済の影響も気になるところだが、やはり豪ドルは強い。
ユーロ/豪ドルに対応するFX口座は少ない。2008年12月19日以降、見事な下降トレンドを描いている。(編集部)
出典:ひまわりFX Pro