円高、ギリシャ問題と日銀の緩和回避観測で…2010/4/22
ギリシャ財政への不安が強まり、ユーロ売り
- 21日の欧米市場でギリシャの国債利回りや同国債のデフォルト(債務不履行リスク)を取引するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率(プレミアム)が急上昇。ギリシャ財政への不安が強まり、ユーロを売る動きが広がった。
- 東京市場でのユーロ/ドルは下値もみあい。
- ギリシャ問題を背景にユーロのポジションはすでにショートに傾いている。
- 「ギリシャのデフォルトはないとみており、まだ自力での資金調達の可能性も残っている。一方で、現状の厳しさを考えれば、ここから売れないし、買えない」(国内金融機関
- ゴールドマン(ゴールドマン・サックス・グループ)によると、ユーロは2008年以来の安値に下落する可能性がある。
- ゴールドマンは投資家に対し、ユーロが0.83ポンドに下落すると見込んでユーロ売りを勧めた上で、終値で0.8850ポンドを超えた場合はこの取引を解消すべきだとしている。ユーロが0.84ポンドを割り込めば、08年12月1日以来となる。
ユーロを売って円を買う動きが、ドル/円相場の膠着を呼ぶ…また、また、この展開だろうか。ギリシャが欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)と行っている支援協議は、まだ2週間続く。この間の要人発言が市場に与える影響は大きそうだ。逆に市場の動きが協議の背中を押すとの見方もあり。(編集部)
日銀が追加緩和を回避するとの見方で円買い
- (東京市場では)一部報道で「日銀が30日に開く金融政策決定会合で追加緩和は見送る公算が大きくなった」と伝わり、円買い・ドル売りにつながったとの指摘もあった。オバマ米大統領が22日にニューヨークで金融規制改革について演説するため、取引を控える市場参加者もいた。
- (東京市場では)30日に日銀が発表する展望リポートで、2011年度の消費者物価上昇率見通しをプラスの数字に上方修正する可能性があるとの報道が相次いだことで、海外勢が円買いに動いたという。
- 「ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない」(日銀)との方針に対して「プラス見通しを出すことで、日銀が追加緩和を回避するとの見方につながった。ただ、実体としては円を買いたい向きの口実になっているだけではないか。だからスピードもそう速くない。国内勢は冷静だ」(国内金融機関)
日銀の緩和回避観測は、ユーロの影響で膠着感のあるドル/円相場にとっては小さな一石に過ぎないようだ。米規制改革の行方や今夜の米経済指標発表の方が、ドル/円相場の方向付けには影響が大きそうだ。
今夜の21:30の米新規失業保険申請件数は改善が予想されている。23:00の米3月中古住宅販売件数が予想通りとなれば、2009年12月以来の高水準となるそうだ。
ひまわりFXの『ファンダメンタル図マップ』で米中古住宅販売件数の発表時の過去の相場変動を表示してみた。発表後1時間の変動は24~27pipsとなっている。(編集部)