ギリシャ支援合意でユーロ高、クロス円に注目…2010/4/12
ギリシャ支援合意でユーロ高、週明けは窓開け
- 欧州連合(EU)のユーロ圏16カ国は11日、財務相による緊急電話会議を開き、ギリシャに対する融資条件について初年度300億ユーロ規模、金利年5%程度で合意した。
- 「資金の調達コストがそれほど高くない」(国内証券)との見方でユーロが円やドルに対して大きく買い戻された。
- 週末にギリシャ救済の枠組みが明らかになったことを受けて、ギリシャ政府があす実施する6カ月と12カ月物の短期証券(TB)入札に関心が集まってきた。
- 足元でユーロが買い戻されている流れを引き継いで順調に需要を集めるか、3月末の7年債入札と同様に海外投資家の購入意欲が大きく低下する結果となるかで、ギリシャ国債金利とユーロ相場に影響を及ぼしそうだという。
- 「支援策は巨額であり、バズーカ砲以上の威力だ」「ギリシャ問題で核兵器を用意したようなものだ。短期的には市場はギリシャ資産のポジションがショート(売り持ち)となっているので、上昇が見込まれる」(ブルーゴールド・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクターで元IMFエコノミストのスティーブン・ジェン氏)
ユーロが急速に買い戻され、週明けのチャートは大きく窓を開けた。とりあえず、ユーロ安で膨らんだエネルギーが発散されるだろう。東京市場ではユーロ高につれて、欧州売上比率の高い企業の株価が上昇しているという。日経平均とTOPIXも上昇、騰落レシオは加熱気味とされる120%を大きく上回っているという。ただ、この支援策には不透明感も残り買い戻しは短期的との見方もある。(編集部)
リスク選好のクロス円の上昇は進むのか
- 早朝からギリシャ救済を手掛かりにユーロに買いが先行していることを受けて、市場ではクロス円の動向に関心を寄せる声が上がっている。「朝方の(ユーロ高は)対円での買いが目立っている。このままクロス円全般がテクニカル的に上抜けるか」(外銀)が、ドル/円の行方を左右する見通しだという。
- (豪ドルは対米ドルで)一時は5カ月ぶり高値となる0.9389米ドルまで値を上げた。次の大きな上値抵抗線は、昨年11月につけた高値の0.9405米ドルとみられている。
- 市場は5月に追加利上げが行われる可能性を29%、7月までの利上げについては100%織り込んでいる。
- きょう米国で行われる、中国の胡錦濤国家主席とオバマ米大統領の首脳会談に関心を寄せる声が上がっている。
- 海外市場でも人民元切り上げをめぐる思惑は根強く、ドル/円が海外市場の終盤にかけて下落した場面では「今週末にも切り上げの発表があるとの観測が出回った」(外銀)ことが売り手掛かりになったという。
豪ドルは強いが、対円では揺らぎがあるかもしれない。ギリシャ支援合意でリスク選好のクロス円には、人民元切り上げによる円高懸念が控えている。円建ての通貨ペアが難しい局面もある。ユーロ/ドルを好むFXユーザーが多いのも、そうした理由から。(編集部)