ドル/円は底堅い、新たなレンジを探る展開…2010/4/7
ドル/円は底堅い、新たなレンジを探る展開
- ドル/円は、短期筋のドル買いを主な推進力として、5日に一時94.78円と昨年8月24日以来の高値をつけたが、短期筋が目指した95円には達しなかった。
- 「今週は、基本的に円ショートの巻き戻しが続いている。ただ下値では、投資家や輸入企業のドル買い需要があるので、大きな値崩れは起こさずに済んでいる」(証券会社)
- 「海外勢の中には、日本の低金利継続を前提に、円安方向へ見通しを修正する動きが出始めている。実際、日米長期金利差に着目すれば、100円以上の円安でも違和感はない」(三菱UFJ証券投資情報部シニア投資ストラテジストの服部隆夫氏)
- ドル/円は5日早朝に94.78円の高値をつけて「当面のレンジ上限を確認」(国内金融機関)して以来、緩やかに売られている。
- 93.50円前後の買い注文が厚く、93.50円割れにあったストップ・ロスをねらう下攻めに失敗。その後はファンド勢の買い戻しや国内勢のドル買いが優勢になってドル/円は94円台を回復した。
- 「94円後半までのドル/円の上昇が早かったため買いそびれた参加者もあり、ドル/円の押し目は買いたい向きが多い。ただ、94.78円のレンジ上限に対して、レンジ下限はまだ手探り中。93.56円で下げ止まりにはならないだろう」(国内金融機関)
本日の日銀政策金利発表と、その後の白川総裁の会見の影響は限定的とのこと。調整局面の押し目買い需要には、それなりの理由を感じる。
市場がリスク選好に向いている。資源国の豪ドル、カナダドルの躍進が目覚ましい。株式市場も底堅いようだ。(編集部)
円は対豪ドル、対カナダドルで安値
- 円は対オーストラリア・ドルで一時、1豪ドル=87円台半ばまで下落し、2008年9月以来の安値を更新。カナダ・ドルに対しては同10月以来の安値を塗り替える場面が見られた。
- 「クロス円で機関投資家などの円売りが出ているようだ。M&Aに絡んだ豪ドル買い・円売りの思惑も聞かれた」「(原油など商品相場が堅調なうちは)カナダ・ドルやオーストラリア・ドルの強い地合いが続くだろう」(NTTスマートトレードの工藤隆市場情報部部長)
今さらながら、やはりコモディティ強しだ。ともすると為替のチャートに終始しがちだが、為替と株、株価指数、コモディティと広く見渡すことも大切だ。(編集部)