ユーロにいったんの底入れ感、リスク回避緩和…2010/6/14
ユーロに底入れ感、米雇用統計発表前の水準
- ユーロが対ドル、対円でともに約1週間ぶり高値となる1.22ドルと112円を回復し、ネガティブサプライズとなった6月4日の米雇用統計発表前の水準を回復した。
- 6月4日の米雇用統計発表前の水準を回復したことで、市場では「ユーロにはいったんの底入れ感が出てきている」(国内銀行)との見方が広がっている。
- 「株式を含めて参加者がリスク資産を落としてしまい、株安などリスク回避に備えたポジションを構築してしまった。参加者のスタンスは、株安を受けてあわてて売るというより、押し目買いに動くようになっている。このため、地合いとしても悪い材料よりいい材料をみたがるようになっている。ポジション調整局面だ」(大手銀行)
- 「市場の関心は欧州問題から離れ、米中の景気回復の持続性に移る。景気回復の足踏みがはっきりする夏場にかけては、現在後退しつつあるリスク回避ムードが再び強まる可能性がある。ただ、二番底をつけにいくことはなく、足踏みにとどまるだろう」(日興コーディアル証券の為替ストラテジスト、松本氏)
市場のリスク選好度合いの影響が為替への影響力を強めている。株価指数や金価格も忘れずに見ておきたい。今夜のNY市場でリスク選好が継続するかどうか、今週木曜の米経済指標発表にも注意しておきたい。(編集部)
円全面安、景気回復期待で
- 午後の東京外国為替市場では円全面安の展開が続いている。
- 世界景気の回復期待を背景に日本株やアジア株が堅調に推移しており、低金利の円から相対的にリスクの高いユーロや資源国通貨、新興国通貨に資金を振り向ける動きが優勢となっている。
- 「ユーロの1.22ドルと112円は(これまでの戻り局面の)上値抵抗線になりそうで、ストップロスをつけ終わったら上昇一服だろう」(国内銀行)との声が上がった。
- (東京市場のドル/円は)92円をつけきれずにその後はレンジ取引となった。「この水準にはオプションが散在しており、ガンマトレードが交錯して上にも下にもいきにくくなっている」(国内銀行)
ユーロもドルも方向感が見えづらい。売りポジションが異常に積み上がったユーロは急で短期的な動きをするかもしれない。ユーロへの不信が根本的に収束したわけでは無いから、欧州のネガティブなニュースに神経質な反応が出るかもしれない。
ユーロの巻き戻しにつき合うなら、深追いせずに短期でマメに利喰いということになるのかもしれない。(編集部)