リスク回避加速、ユーロ円が8年半ぶり109円台…2010/5/21
円独歩高、ユーロ円は8年半ぶり109円台を記録
- (東京外国為替市場では)海外市場でリスク回避の動きが強まったのを背景に、市場は円選好の色合いが濃くなっている。東京株式市場も大幅な売り先行で始まっており、投資家はリスクを取りづらそうだ。
- NY市場は株価が今年最大の下落。ユーロ円は2001年11月以来8年半ぶりとなる109円台を記録するなど大荒れとなった。
- 米新規失業保険申請件数の予想外の増加やコンファレンス・ボードが発表した4月の景気先行指数が1年1カ月ぶりに低下するなど期待を裏切る数字に、市場が動揺したためだ。
- 「今週はドイツの空売り規制にはじまり、米金融規制法案、ギリシャのゼネスト、北朝鮮問題と様々なリスク要因が浮上してきた。円は消去法的に買われる地合いが続いている」(外為アナリスト)
- (午前の日本株相場は)為替の円高・ユーロ安、世界的株安連鎖への懸念が強く、電機や自動車、化学、機械など海外の景気敏感業種を中心にほぼ全面安。
- 欧州の債務危機懸念から、ストックス欧州600指数が前日比2.2%安となるなど、20日の欧州株式相場は軒並み下落。また20日の米国株市場では、欧州不安に加え、米新規失業保険申請件数の増加で雇用情勢に対する懸念も浮上した。
- 投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は20日の取引で45.79と、09年3月以来の高水準を付けた。
また、結果的な円買いだ。激しい為替相場に挑むのも、静観するのも、投資スタイル次第。おそらく今は「判断を急ぎ過ぎない」というのが共通したポイントのようだ。
遠のいていた世界経済の2番底懸念が再浮上。21日午前には、日銀が定例金融調節の時刻外に緊急の資金供給1兆円を実施、平野官房長官の円高牽制発言、と波立つ週末になっている。(編集部)
豪ドル/米ドルが10カ月ぶり安値、下値リスクも
- 21日の外国為替市場でオーストラリア・ドルは10カ月ぶりの安値を付けた。
- 欧州の債務危機を受けた世界経済の成長鈍化懸念で株式・商品相場が急落したことが背景にある。
- (豪ドルは)午前7時前の取引で一時71.84円付近まで急落した。急落の背景は個人投資家による損切りの豪ドル売りとの指摘もある。
- 豪ドル/円は仕組み債がらみのニーズも指摘され、他のクロス円との比較では下落幅が限定的だった。しかし、今週に入って短期筋が対ユーロで豪ドルを売り戻したため、豪ドル/円も下落基調となっている。
- 「豪中銀によるレートチェックのうわさで、(豪ドルが)切り返したが、戻りも弱い。 豪ドル/円では個人のロングがまだ大きく、下げ余地がある」(外為専門会社)
RBAのレートチェックや実際に介入したとの噂でも、戻りが限定的というのは深刻。
欧州経済危機→欧州向けの中国輸出低迷→中国向けのオーストラリア資源輸出低迷…。世界的なリスク回避で資源からマネーが逃避…。世界経済の回復を先進国の先頭で担って来たオーストラリアが負の連鎖に囚われた格好。
FXユーザーの豪ドルのロングが気になる。外為どっとコムのポジション比率で豪ドルを表示してみた。(編集部)
出典:外為どっとコム 外為情報ナビ(会員限定)