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ドル買い加速、ポルトガル格付け引き下げで…2010/3/25
ドル買い加速も輸出企業のドル売りもあり
  • 25日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は急伸した。格付け機関によるポルトガル国債の格下げを材料に、ユーロ売り・ドル買いの流れが加速。
  • ただ、92円近辺で始まった東京市場では、輸出企業の売りに圧迫されてじりじりと上げ幅を縮める展開となっている。
  • 「輸出企業から見れば、絶好の売り場が到来した形だ。この売りによる下値のめどは、テクニカル的には91円70銭、そこを抜ければ91円40銭」(FX業者)

ドル、92円台前半=ユーロ安受け | 時事ドットコム

  • 海外市場ではドルは92.42円と2カ月半ぶりの高値をつけたが、東京市場では輸出企業の売りで92円台を維持できなかった。ただ、海外勢がドル/円の買いに回っているため下値も限られた。
  • ユーロ/ドルの下げが急速だったことから「ユーロ/ドルでのドル買いがドル/円に波及した」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)
  • 「米公定歩合引き上げのうわさもくすぶっており、海外市場ではヘッジファンドがドル/円を買っていた」(大手銀行)

東京外為市場・正午=ドル91円後半、実需の売りで92円台維持できず | Reuters

ユーロ不信の火に油を注ぐような状況でポルトガルの格付け引き下げ報道が走った。ドルの上昇圧力になっている輸出企業のドル売りをこなした後の海外時間でのドルの上昇力が気になる。長らく膠着状態だったドル/円が動き出すかも…。

今夜23:00に予定されているバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の証言の影響も注目材料。(編集部)

ユーロドル下落の背景と行方
  • (ユーロドル下落の背景について)「財政安定化・成長協定に基づき、自前で財政規律を守るのがユーロという通貨のフレームワークだった。ギリシャ救済にIMF(国際通貨基金)という『進駐軍』が入る可能性が指摘されており、ユーロの本質が損なわれるという懸念は強い」(邦銀)

ドル、92円台前半=ユーロ安受け | 時事ドットコム

  • EU首脳会合ではIMFと欧州とでギリシャを支える方針が打ち出されるとみているが、あいまいなスタンス表明だけにとどまればユーロは1.30-1.32ドルを目指す可能性がある。具体的なスキームなどに踏み込めばいったんは下げ止まる可能性もあるが、戻りの天井は1.36ドル程度。(日興コーディアル証券為替ストラテジスト、松本圭史氏)

EU首脳会合次第でユーロ1.30ドル・ドル94円も=日興コーディアル証券 松本氏 | Reuters

IMFの関与を認める派のドイツ、認めない派のフランス、行方は不透明。EU首脳会合で合意が得られなければユーロは、ますますバランスを失いそうだ。舞台裏では、すでに交渉が進められているようだが、何の音沙汰も無いのが合意が遠い証拠だとか。

上昇圧力のかかるドル/円と対ドルでも対円でも下降圧力のあるユーロを階調チャートで表示してみた。赤系の尾が上昇圧力、青系の尾が下降圧力でビジュアル化されている。(編集部)


出典:NTTスマートトレード 階調チャート
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